2023.05.16

特養とは?有料老人ホームとどう違う?費用やサービス、特徴をわかりやすく解説!

特養とは?有料老人ホームとどう違う?費用やサービス、特徴をわかりやすく解説!

老人ホームを検討し始めると目にすることの多い「特養(とくよう)」とは、特別養護老人ホームの略称です。

原則要介護3以上の高齢者が入れる公的施設で「費用を抑えられる」「看取りの対応を行っている」などのメリットがあります。しかし、認知症のご両親のための施設として検討する際は、注意したいこともあります。

この記事では、特養の概要と認知症の方の入居先として検討する場合の注意点、特養と似た民間施設「介護付有料老人ホーム」について、ご紹介します。

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特養「特別養護老人ホーム」とは

特養(特別養護老人ホーム)への入居をイメージした画像

原則要介護3以上の方が入れる公的施設

特養(特別養護老人ホーム)は、原則として要介護3以上の高齢者が入れる公的施設であり、介護度の高い人から優先して入居できるという特徴があります。

公的施設のため、収入や預貯金などの審査があり、年金や財産が少ない方は利用料金が安くなります。

身体介護や生活援助、看取りまで対応

食事や入浴、排せつなどの身体介護と、健康管理や緊急対応などの生活援助を受けることができます。

リハビリやレクリエーションの有無、内容は、施設によって異なります。
看取りの対応も行っており、「ついのすみか」として選ばれることも多い施設です。

新しいユニット型の施設が登場。費用面に変化も

これまでは、公的施設である特養は、民間施設と比較して費用が安い傾向にありました。

ただ、ここ数年新しいタイプの特養として、全室個室で共同リビングが併設されている「ユニット型」が登場しています。10名程度が暮らす施設でサービスが手厚くなる分、費用は従来型と比べ高くなる傾向にあります。

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特養を選ぶ際に注意したいこと

特養(特別用語老人ホーム)の入居手続きをイメージした画像

介護度の高いご両親の「ついのすみか」として、特養を検討される方も多いでしょう。
しかし認知症のご両親の場合、心配な点もあります。
特養を検討する際に見落としがちな3つのポイントをお話しします。

機能訓練の体制が、整っていない場合がある

認知症の進行を遅らせ少しでも長く自立した生活を続けるためには、機能訓練が重要です。

特養でも機能訓練は必要に応じて行われますが、規定数ギリギリの人数でサービスを行っているために身体介護や生活援助が中心となっている施設も少なくありません。

また、リハビリ専門のスタッフが在籍していない施設もあります。

入居までの手続きに時間がかかり、すぐに入れない可能性がある

特養へは、申し込みをすれば、すぐに入居できるというわけではありません。

一般的には、ヒアリングや面談を行ったあと、入居検討の会議が行われます。会議では、介護度や家庭の状況などを考慮したうえで入居順位を決定します。所得によって費用が変わるため、入居者の収入や預貯金などの確認が必要になるなど、入居手続きには手間も時間もかかります。

そのため、たとえ空きがあったとしても、入居までに時間がかかることが多くなります。

公的施設とはいえ費用が抑えられるとは限らない

前述した新型特養とも呼ばれるユニット型が登場したことで、「公的施設の特養は費用が抑えられる」という認識が変わってきました。

従来型の特養は、費用を抑えられる傾向にありましたが、ユニット型に関しては、月額費用が有料老人ホームと変わらないタイプも増えています。

特養にはないメリットがある「介護付有料老人ホーム」とは

介護付有料老人ホーム「ソラスト」にて、入居者の方と介護スタッフが談笑している様子

特養と同様、看取りまで行える施設として、民間施設の介護付有料老人ホームがあります。
認知症の方にとって安心なサービスや、ご家族にとってのメリットもありますので、ご紹介します。

リハビリ専門の職員が常駐しているため機能訓練が充実

介護付有料老人ホームは、リハビリ専門職の職員が常駐している施設が多くあります。

「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」「柔道整復師」などが施設ごとに置かれ、一人ひとりに適した機能訓練が行われます。機能訓練では、認知症の方に合わせたプログラムが組まれるので、認知症の方にとっても家族にとっても、安心といえます。

また、施設における介護スタッフの人数は規定が1対3(職員1人に対し入居者3人)と定められていますが、介護付有料老人ホームは1対2、またはそれ以上という施設も多くなっています。

介護付有料老人ホームは入居までの対応が柔軟

介護付有料老人ホームは民間施設のため、入居者やご家族の状況に応じて、入居の時期やタイミングについても臨機応変に対応できます。

特養のように、収入や預貯金の確認を必要としないため、手続きを迅速に進めることができるのです。早い場合、ご希望から1週間程度で入居できる場合もあります。また、特養の中には入居前の見学ができないところもありますが、介護付有料老人ホームは、基本的にすべて見学が可能です。

見学ができる、入居時期について柔軟に対応してもらえる点は、ご家族の安心や負担軽減にもつながります。

民間施設だから高額とは限らない。施設によって差がある

特養が低額な印象なのに対し、介護付有料老人ホームは高額な印象をお持ちの方も多いでしょう。

実際のところ、有料老人ホームは施設ごとに特色を打ち出しており、サービスが多様化しています。そのため費用にも差があり、民間施設だから高額かというと、そうとは限りません。

中には、特養とあまり変わらない費用感の介護付有料老人ホームもあります。

最後に

看取りまで行え、費用が抑えられる特養は人気の施設です。
しかし最近は、新しいユニットタイプの特養も登場し、一概に「低費用」ともいえない状況になっています。

また、「今すぐに両親の入居先を見つけたい」「認知症の両親でも安心して任せられる施設を探したい」と考えている方にとっては、入居までに時間がかかる場合がある、必要な機能訓練が受けられない場合があるなどの点も心配ではないでしょうか。

その点、介護付有料老人ホームは入居への対応が臨機応変であり、認知症の方への機能訓練が充実している、きめ細かい対応ができるというメリットがあります。
特養への入居をお考えの方は、ぜひ介護付有料老人ホームも候補のひとつとしてご検討ください。


この記事の監修担当をご紹介します。

ソラスト介護付有料老人ホーム/管理者

30代で介護士となり、業務の幅を広げるため40代で看護士の資格を取得しました。看護師として特別養護老人ホームで勤務した後、ソラストでは施設長として運営業務にあたり7年がたちました。

認知症ケアで大切なのは、その方ご自身をしっかりと受け入れることです。認知症の方は心の動きに敏感な傾向があるため、しっかりと目をみて、お一人おひとりのペースに合わせた対応を心がけています。

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