2023.05.16
老人ホーム見学で質問すべき5つのポイントをプロが解説。持ち物や当日までの手順を要チェック
老人ホームを見学するといっても、「どこを見ればよいのか」「どんな質問をすればよいのか」わからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、見学先を決めるまでのポイントや、見学当日までにすべきことをお話しします。また見学時にするべき、次の5つの質問についても解説します。
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・費用について
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・入居条件について
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・介護、医療体制について
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・アクティビティについて
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・面会や外出、外泊について
老人ホームの見学先は3つ以内に絞ろう
老人ホームを見学することは大事ですが、気になる施設をすべて回る必要はありません。その理由を2つご説明します。
老人ホームの見学先を絞る理由その1 負担を減らすため
気になる施設は、ひととおり見てから決めたほうがよいとお考えかもしれません。
しかし、施設が近場ばかりとは限りませんし、見学には1時間以上必要になることが多いなど、思った以上に負担がかかります。もし、ご本人も一緒に見学したいという場合は、なおさらです。
あまり無理をせず、「希望の範囲内の費用におさまりそう」「家から近く、訪問しやすそう」など、絶対譲れないポイントを元に、見学先を絞りましょう。
老人ホームの見学先を絞る理由その2 混乱を防ぐため
見学に行く施設の数が多すぎると、比較検討する際の情報整理が難しくなってしまいます。
「施設Aのレクリエーションはよかったけれど、Bよりは劣る」「施設CとDのリハビリは魅力的」「立地条件は施設Eが一番だった」など、混乱を招きかねません。
見学施設が3つ程度であれば、そうした混乱も起きにくいので、まずは見学先を絞ることからはじめてください。
老人ホーム見学当日までの手順
見学先を3つ以内に絞ったら、次は見学です。見学当日までの手順やポイントについてご説明します。
予約する
見学先へは、必ず予約を入れましょう。
直前の電話や突然の訪問では、施設側が適切な対応をできない場合があります。予約の電話やメールをすることで、職員の対応についてチェックすることもできます。
また、確認のために写真や動画撮影をしたい場合は、撮影が可能かどうかも予約時に確認しておくとよいでしょう。
入居予定の方の様子を知っておく
見学時には、老人ホーム側からご本人の体調や日常生活の様子について尋ねられることがあります。
ご本人の様子によって、見学時にご案内する内容が変わりますし、実際に入居した際の対応や入居準備がスムーズに進むからです。現在、ご両親と同居されている方は問題ないと思いますが、離れて暮らしている場合は、事前に「身体状況・リハビリ状況・苦手なこと」などを把握しておくことが必要です。
ご本人が入院している場合は、病院側に、介護施設に知らせておくべきことについて確認しておきましょう。
見学前と見学時のチェックポイントをまとめる
見学をスムーズに行うために、以下の2つの段階に分けて考えておきましょう。
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・事前にチェックしておくこと
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・見学時にチェックすべきこと
それぞれの段階でチェックするポイントを説明します。
事前にチェックしておくこと
入居一時金や返還基準、月額利用料などの費用や入居条件、介護・医療体制などについては、施設のホームページなどに記載があります。あらかじめチェックし、見学時に確認できるようメモしておきましょう。
また、入居者ご本人の希望や意思を聞いておくことも大切です。例えば、部屋の広さはどのくらいを希望するのか、どのようなレクリエーションを希望するか、などです。あらかじめ、ご本人の希望や家族の意見をまとめておくことで、見学時に「具体的に何を見ればよいのか」がわかり、スムーズにチェックすることができます。
見学時にチェックすべきこと
住環境や生活環境、立地、アクティビティ、雰囲気、家族との関わり(面会や外出など)など現地に行かなければわからないことは見学でしっかりと確認しておきましょう。
例えば、部屋が清潔に保たれているか、住みやすい環境か、スタッフや入居されている方々の雰囲気はどうかといった点です。できれば点数をつけるなどして、ひと目でわかるようにメモに残しておけば、後から他の施設との比較をするときに役立ちます。
持ち物を用意する
見学当日は、以下の3つを用意しておくと安心です。
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・メモをするための筆記用具
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・部屋の広さや持ち込み家具のスペース確認に役立つメジャー
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・スマートフォンやカメラなどの撮影道具(ただし、事前に撮影OKと確認がとれた場合に限ります)
また、施設内はスリッパなどに履き替えることが多いため、着脱しやすい靴がよいでしょう。
見学時に必ず質問するべき5つのこととは
施設を決めるにあたっては、以下の5つの項目は非常に重要です。見学に行ったときには、忘れず確認するようにしましょう。
費用面について
パンフレットやホームページに書いてある内容を鵜呑みにせず、あらかじめ想定した費用感と相違がないか確認してください。
特に、月額利用料は今後毎月支払う費用なので、入居してから想定と違ったとなれば問題です。月額利用料に含まれない料金は何か、介護サービス費はいくらかかるのか、細かく確認しましょう。
▼老人ホームの費用について詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてください。
老人ホームの費用や種類を知りたい。施設によって金額がバラバラな理由とは?
入居条件について
そもそも入居条件に該当していなければ、いくら気に入っても入居はできません。
「大丈夫だろう」「大丈夫なはず」ではなく、念のため、見学時に確認しておくとよいでしょう。
また、退去条件を明記していない老人ホームもありますので、あわせて確認してください。
介護・医療体制について
入居する方が認知症であったり持病を抱えていたりする場合は特に、介護や医療体制の確認が必須です。
パンフレットなどに書かれていることで気になった点や、見学時に気になった点があれば、遠慮なく質問しましょう。特に、その老人ホームで、どこまでの医療行為が行えるか、24時間対応が可能なのかを聞いておくことは大切です。
施設における介護スタッフの人数の規定は3対1(入居者3人に対し職員1人)となっています。施設によっては2.5対1、2対1などスタッフの人数を多く配置しているところもありますので、確認しておくとよいでしょう。
アクティビティについて
ご本人の性格や好みにあったレクリエーションがあるか、どのような内容のレクリエーションがどのくらいの頻度で行われているのかを聞いておきましょう。
また、機能訓練(リハビリテーション)の内容や季節のイベントなどについても確認しておくとよいでしょう。入居後にどんな生活を送るのかイメージすることができます。
面会や外出・外泊について
入居後の家族との関わりについても、確認しておくとよいでしょう。
施設によっては、事前の確認が必要になるなど、いつでも自由に会いに行けるとは限らないからです。面会はどのくらいの頻度で行えるか、外出や外泊はご本人やご家族の希望を聞いてもらえるかなど、質問しておきましょう。
最後に
老人ホームの見学をじっくり行おうとすると、1時間~1時間半程度は必要です。
移動時間や準備も考えると、思っているよりも時間や労力がかかります。負担を抑えるためにも、見学先は3つ以内に絞ることをおすすめします。
ご本人やご家族が納得したうえで入居を決めることが、一番大切です。
信頼できる施設かどうか見極めるためにも、気を遣ったり遠慮したりせず、気になることはどんどん質問しましょう。
見学時に役立つダウンロード資料をご用意しました。無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
▼見学前に確認すべきこと、見学後の比較にも役立つ「老人ホーム見学チェックリスト」です。
『老人ホーム見学チェックリスト』
この記事の監修担当をご紹介します。
ホーム事業部/営業・入居相談員
深澤 靖明
ソラストへは2016年に入社。
現在は、施設見学時の対応や、病院を中心とした介護事業所などへの営業活動を行っています。
施設への入居を検討される際は、ご家族として悩まれることも多いと思います。小さいデメリットに感じても入居してから気になる点として残る可能性もありますので、メリットよりもデメリットをピックアップして比較するというのも、ひとつの方法です。
ご家族にとってもご本人にとっても「後悔のない施設選び」になるよう、じっくりとご検討いただければと思います。
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